この記事は、ミニベロ(Tern Verge N8) にロードバイク用のキャリパーブレーキ105を装着するための記録です。本記事はリア編となっております。
フロント編はコチラ
今回取り付けしたブレーキは以下のブレーキです。
※Tern Verge N8 の純正タイヤサイズは406ですが、こちらは451にサイズアップしています。今回取り付けしている105キャリパーブレーキは、451じゃないと取り付けできませんのでご注意ください。
今回の動画はこちら
今回の作業については、こちらの動画の内容になっています。作業内容を映像で見たい方は以下の動画も参照してみてください。
キャリパーを取り付ける位置
リアのキャリパーの取り付け位置は、フレームのこの穴(下画像)を使用したいところですが、ここだとブレーキがリムまで届かない上に、強度的に不安があります。
キャリパーを取り付けるためには補助パーツが必要
そこでこちらの補助(マニアックな)パーツが必要になります。
こちらは、Tern Verge N8にポン付けできる【ブレーキ固定用の補助パーツ】となっています。
補助パーツ取り付けの問題点
こちらのパーツ、取り付けにあたってひとつ問題があります。
それは、取付箇所に純正のスタンド穴を使用することです。当初は、共締めでイケるかと思いましたが、実際にはボルトの太さが合わないため、取り付けできませんでした。
補助パーツを取り付けすると、純正スタンドは使用できなくなります。Vブレーキ+スタンドの快適性を取るか、それともキャリパーブレーキを取るかの2択となります。
僕は迷わずキャリパーブレーキを取りました。スタンドは別付けでもなんとかなりそうだし、何よりブレーキの安心感が欲しかったからです。
取り付け開始
というわけで取り付け開始。作業行程は単純です。補助パーツをつけて、ブレーキを固定するだけです。
スタンドの取り外し
まずはスタンドをナットごと取り外します。
僕はアキワールドというところのダブルレッグスタンド(上画像)を入れていたのですが、こちらが神商品すぎたため、これを取り外すのが残念でなりませんでした。
補助パーツを仮固定
空いた穴に補助パーツを入れて仮固定します。本来この穴はスタンドがついています。
固定ナットは上方は6mmの六角レンチ、下部のナットは13mmなので、きっちりと固定したい方は13mmのコンビネーションレンチ等があるとなお良いです。モンキーレンチでもイケるとは思いますが。
リアタイヤと補助パーツのクリアランスは目視で2~3mmほど。少し心配になりましたが、取り付け後の状態はとても良好で全く問題ありませんでした。
キャリパーブレーキの仮固定
キャリパーブレーキを取り付けします。専用の補助パーツのため、フロントのように枕頭ナット用の穴の拡張などは必要ありません。ポン付けでいけます。
ちなみに、取付時はかなり狭く視認性の悪い箇所での作業になるため、僕はタイヤを外しました。
ここでは自転車メンテスタンドがあることでとても助かりました。スタンドで自転車を自由に前傾させることができるので、無理なく作業性が向上します。スタンドがなくてもできるとは思いますが、あったほうが便利なのは間違いないです。
タイヤを外すと、作業はしやすくなりますが、ブレーキの左右位置がわからないため、面倒ですが、一度タイヤを外してから、ブレーキを仮固定し、再度タイヤを取り付けて位置調整、という行程で行いました。
キャリパーブレーキの固定とブレーキシューの調整
後方から覗きながらキャリパーがタイヤの中心に来るようにおおよそブレーキ位置を調整して本締めします。ブレーキの固定は8~10N・mくらいで締めました。
あとはキャリパーブレーキにワイヤーを通し、リムにブレーキシューがきちんとあたるように調整して完了です。トルクレンチがあるとネジ締めすぎの予防に便利です。
言葉で書くと簡単に終わりますが、ブレーキシューの調整は、狭い場所での作業になるので難しかったです。何度もやり直しながら調整しました。
ワイヤー留めはギボシ
余談ですが、ブレーキワイヤーのエンドキャップがないので、車配線用のギボシでとめました。ここはワイヤーがほつれなければ良いだけなので、使用上は特に問題ないかなと思います。
キャリパーブレーキ交換後の感想
※キャリパーブレーキにして150kmほど走った感想になります。
安心感がエゲツない
まずブレーキの安心感がヤバいです。これまでは、中華製のよくわからないメーカーのVブレーキを使っていました。
安心のシマノ製。更に主にロードバイクに採用されているブレーキということで、まずは【信頼】という安心感に包まれます。プラセボ効果があるのかもしれません。
初期制動が鋭く、コントロール性もある
105に変えてすぐに思ったことは初期制動の鋭さでした。ブレーキレバーをクッと握ったときに、すぐにグググと効きます。
これまでのVブレーキでも別に効かないわけではなかったのですが、グ~っと少し強めに握り込まないとググッと効きませんでした。ブレーキをかけるときにある程度の力が必要だったのです。
そもそもSTIレバーでVブレーキを引くのはシマノでは非推奨というのもあるので、Vブレーキの効きうんぬん以前の話ではあるのですが…。
105に変えてからは、軽く握っただけで効くようになったのでブレーキ操作が楽になりました。
それでも効きが良いからといって、タイヤがカンッとロックするほどバリバリに効くわけではなく、程よくコントロール性を残しながらもかっちりと制動してくれている感じです。
言葉で説明するのは難しいのですが、この絶妙な制動力が前項の安心感に繋がっているのだと実感します。
キャリパーブレーキカスタムの弊害
今回のキャリパーブレーキのカスタムは個人的にはオススメはしません。以下の2点の理由によるものです。
スタンドが使えなくなる
純正のスタンド穴を犠牲にするので、スタンドが使えなくなります。ただ、こちらは社外品のスタンドでも対応はできます。僕はあさひの20インチ用のスタンドを取り付けしました。
こちらは、フレーム2箇所で挟み込んでネジ止めするタイプのスタンドです。下部のネジを回すことでスタンドの長さ調整ができます。ちょっと頼りないのですが、日常使用には問題はありません。
折りたたみ機構が使えない
Tern Verge N8は、折りたたみ自転車で、コンパクトにまとまり、輪行もできて、それでいてフレームもしっかりしているので、そこそこのスポーツ走行もできるという万能型自転車です。
キャリパーブレーキにすることで、本来余裕がある設計になっていたブレーキラインが変わり、キツキツになるため、折りたためなくなります。
正確には途中までは折りたためるのですが、上画像のように、マグネットでカチッとつける本来の折りたたみの部分までいけなくなります。リアのブレーキラインが突っ張ってしまって、深く折ることができなくなります。フロントのハンドルに関しては、慎重に作業することで折りたたみは可能です。
輪行メインで日常的に折りたたみをする方には、あまりオススメできません。
今後輪行したい場合は、通常のロードバイクのように前後輪を外して輪行するなどの工夫が必要になると思います。
折りたたみできるように改良
2024年4月追記
ブレーキケーブルの見直しにより、折りたたみできるようになったので追記しておきます。詳しくは以下の記事を参照してください。
【ミニベロメンテ】Tern Verge N8 (STI仕様) のブレーキケーブルを全て取り換えて折りたたみも可能にしました
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